アンティークヘッドフォン ブログトップ
- | 次の10件

ELGA DR-244C [アンティークヘッドフォン]

img_451965_6241999_0.jpg

(今回はヘッドフォン祭2009秋 アンティークヘッドフォン友の会ブースで筆者が書いた物に加筆修正したものです)
何をかくそう、このヘッドフォンがアンティークで初めて入手したヘッドフォンだったりします。
最初からELEGAというのもまたマニアックかもしれませんが、ヘッドフォン初体験がELGAな自分には
お似合いです

音は中域がメインなものの高低域はソースや環境で音の伸びや感覚が変わってしま
う。
よく現行のDR-631Cシリーズなど言う中域だけというわけではなくレンジはそれなりに広めで
その中で中域が多少目立つ感じである。
あと面白いのは、解像度は高くはないのだが聞いてると音の奔流に身を打たれてる様な独特な感覚に襲われる。
以前は外出に用に外出時にVictorのアルネオ、iconモバイルの組み合わせで使っていたが現在は、
自宅用になっている。

ちなみにこのDR-244C、藤木電器からELEGAブランドを引き継いだエレガアコスに問い合わせてみると ELEGAブランドで発売した記録はないとの事。
型番としては存在するそうだ。ちなみに対応した社員さん曰くELGAで244番目に開発した機種という意味らしい。
ちなみに過去にSONYも型番が同じDR(現在はMDR)を使っていたこともあるのでそことの関係も謎である。
(現在もBluetooth関連ヘッドフォンに使われている模様)
所持してるELEGA DR-1と呼ばれている機種は そっくり同じ形状でSONY(東通工)でもDR-1として発売されている。
ただ、同じ形状でOTTOとコロムビアから発売されてるのは友人のLASH氏の所蔵品を見せてもらったときに確認済みである。
OEM専用に開発した製品なのか謎は深まるばかりである。 
意外とOTTOやコロムビアのシールを剥がすと出てきたりして・・・。
なにせ、ELEGAはオーディオブーム時に各メーカにヘッドフォンを大量に供給して、
自前は放送用機器がおおかったぐらいですし。

試聴盤
Suara 赤い糸(ブルースペックCD)
試聴環境
DCD-1500AE Lehman Rhinelander DR-244C

本当にいつもお世話になっています
ヘッドフォン近代博物館様
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/

FOSTEX T-40RP [アンティークヘッドフォン]

img_451965_5696640_0.jpg

FOSTEXはフォステクスでも、ダイナミック型でない動面駆動型の昔からある形式のフォスのヘッドフォンです。
以前オーテクのATH-2をご紹介しましたがこちらも同じ動面駆動型です。
ヘッドフォンがずれない用に最初から形ができているゴムのヘッドバンド、取り外しがきく本体側のL字3.5mmプラグ
と、ST-31やK171Sと発想は似ているもののまた違う系統のモニター系です。
音は上から下まで変な味付けがない分、どの音もはっきり鳴らしてくれます。
ただ、ヘッドフォンアンプは選ぶようで、CDPのヘッドフォンジャックではいかにも線が細い
消化不良な音でしたが、
ヘッドフォンアンプに差し替えたら一気に音がはっきりに。
最初 昔聞いたFOSTEXのフルレンジSPを聞いてるのかと思いました。
どうも、ヘッドフォンアンプやサウンドインターフェースなどを通して使うことが前提のようです。
現在は後継機のT-50RPmk2が発売されています。ほかはダイナミック型で
新型の漆塗りもダイナミック型のようなので、こっちのシリーズでも新作をついつい期待してしまいます。
DAP直接続などでは無理ですが、それなりにヘッドフォンをもっててSATXやKOSS以外で
変わり種が欲しい人向けかもしれません。
T-50mk2はヘッドフォンがそれなりにあるお店には置いてある唯一に近い動面駆動型ですので。

ATH-40i [アンティークヘッドフォン]

img_451965_5313144_0.jpg

ATH-30iからだいぶ間があいてしまいましたが型番では次のモデルになるATH-40iです。
30iがオープン型でしたが、こちらはクローズ型に見えますがバックロード型というSPでは多いユニットの背面からフロントにかけて空気経路が設けてある方式です。
日本だと故長岡鉄男氏設計のSPが有名かと。
このヘッドフォンの場合内部をバラしてないので、どういう空気経路になっているかわかりませんが、
ユニット背面のプレートが少し浮いてある部分などに通してあるのかと思います。
もちろん逃がしの部分も、ユニットから少し浮かしてあるので設けてあるのかと。
その分ユニット自体30iと見た感じ小さめになって耳から離れているはずなのですが…
実際聞いてると、かなり近いと言うかライブ感みたいな不思議な感じがします。
たまにこれを聞くと結構ハマル機種だったりw
JAZZやクラシック、生楽器多めのポップス向けですね。
ちなみに30iの時に触れた謎の変換プラグですが、実はこれ差し込み式でもさしこみが見えないようにカバーがかけてあるのです。
今でもオーテクといえば、種類など変わり物もSONYとならんで多いメーカですが、この機種には変わり種がたくさん詰まっていますw

ちなみに、自分がオーディオに興味持つきっかけになったのが工業高校の卒業制作で読んだ
故長岡氏のSP図面集とステレオサウンドの故長岡氏のリスニングルーム「方舟」
とフォステクスのスピーカークラフトブックです。(両方を参考にSPを作りました)
試聴環境
DCD-1500AE Lehman Rhinelander ATH-40i
試聴版LUPIN THE THIRD the 10th JAZZ~NEW FLIGHT~


バックロードフォン型
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%9E%8B
本当にいつもお世話になっています
ヘッドフォン近代博物館様
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/

Pioner SE-4 [アンティークヘッドフォン]

img_451965_4878138_0.jpg

更新ご無沙汰しておりました。会社の年末進行に追われて半ば死んでたのですが…
今回はひさびさのアンティーク機です
PionerのSE-4という、セミオープン?な機種です。
発売は1976年、もう35年モノになります。
このシリーズはSE-2、4、7、9、11、15とあり、2,4,11と所持しているのですがその中での一番のお気に入りがこのSE4です。
音の傾向で言えばGRADOに近いというべきか、とにかく元気が良すぎる音を鳴らす機種です。
その分しっかりアンプのパワーを要求しますが;;
振動板はアンティークのパイオニアではメジャーなミクロン厚のポリエステルの膜です。
この膜が時代の荒波にもまれても破れず今でも音をきかしてくれているのですから驚きです。
一時期メイン機種にまでしていたのですが、接着剤の経年劣化での剥離などの修復を含め休めてましたが
久々に引っ張り出すと、これがいいんですよ。
ダイナミックな音だけかと思えば繊細な弦のブレまで聴かせてくれる、なんとも聞いてて楽しい気分になれる機種です。
結構これはJAZZやクラシックなど生楽器系に向いてるかもしれません。

余談ですが、私の世代だとパイオニアのマークはΩの真ん中を凹ませたマークだったりします。
なのでこのヘッドフォンをかけるときにみるとノスタルジーにかられてしまいますw
BGM
DCD-1500AE Lehman Rhinelander SE-4 エリック・クラズノ/レニミス

参考サイト
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/

ATH-30i [アンティークヘッドフォン]

img_451965_3615417_1.jpg

線路はは続くよ成瀬まで(東京都町田市成瀬にAudioTechnica本社がある、もちろん横浜線成瀬駅もあるw)ということで。
前回のATH-2から一気に時代も型番も飛んで今回はATH-30iです。
(ATH-2は1979年発売 ATH-30iは1985年発売)
発売時期も含めウォークマン対応を前提にした、3.5mmミニジャックになっており、
その上から今ではおなじみの標準ジャック変換ジャックにさして使うタイプです。
今では見慣れている3.5mmミニジャックですが、この規格自体の大本は1979年発売の初代ウォークマンとほぼ同時にSONYから生み出され、そのまま他社製品でも使われ現在でも事実上の標準規格になっています。
この機種の場合、標準ジャック仕様でATH-30という同型機が先に発売されてまして、それをウォークマン、対応にした機種がこのATH-30iとみられます。
(1985年にガム型充電池と乾電池併用型カセットウォークマン発売)
またこの変換ジャックがATH二桁シリーズでは変わったものを使っているのですが、
それは後継機のときにご紹介します。
さて、この機種の面白いところはもちろん小型なのに同時期の大型機にも負けない音質もあるのですが、

2枚目の画像にあるスライドで左右のハウジングの側面のスリットを開け閉めすることができます。
●マークはフルクローズ、やや抑え気味の音に、低音が聞きすぎたりするときはこっちに。
○はフルオープン、完全開放になって音の伸びの抑えがなくなった音に。
AudioTechnicaではこの構造を「ダンピングコントロール方式」と呼んでいるそうです。
この構造を搭載してるのは、ATH-20 20i 30 30iまでで40iからはまた変わった方式を搭載しています。
そういう意味では、小型ヘッドフォンの中でもこのATH-20~ATH60iは遊び心や技術者の意欲を感じます。

この通称ATH2桁シリーズは筆者に小型機ショックを与えた機種でもあり、入手後聞き比べをよくしていたものです。
最近ではDR-244Cが出かけるときに持っていけないときのセカンド外出機になっています。
音の解像度もいい上に伸びや響きも柔らかく聞きやすく、小さいというある意味万能機に近かったりします。
AudioTechnica恐るべし。

試聴環境 DCD-1500AE Lehman Rhinelander 試聴盤 ARIA~ピアノコレクション~スタジオーネ-季節-
ピアノ演奏
妹尾武 窪田ミナ

参考サイト
ヘッドフォン近代博物館さま 
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/
ウィキペディア 「ウォークマン」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3

アンティークではセンパイの [アンティークヘッドフォン]

ヘッドフォン祭2009秋 アンティークヘッドフォン友の会与野本町支部ブースのボスでもあり
自分をこっちの世界に引き釣りこんだとも言える、LASH238M氏がとうとうアンティークヘッドフォンブログを開設です。
自分より知識も豊富な方で、いつも教わりっぱなしです。
ここのアンティークヘッドフォン記事よりまじめというか詳しいのでオススメです。
http://antiqueheadphones.blog11.fc2.com/

Audio-Technica ATH-2(アンティークも新作には負けないぞw) [アンティークヘッドフォン]

img_451965_3499425_0.jpg
今日前後からAudioTechnicaの新作が店頭に並んでると思いますが、今回そんなタイミングに
同じAudioTechnicaの30年前の12月の新作を紹介。
ATH-2です、ATHの型番は今も受け継がれる型番ですが、その中でも初期の機種です。
(その前はATという型番でした)

他のATH-3等とは違いユニットがスライドするセミオープンに近い機種、ですが中身はダイナミック型ではありません。
動電全面駆動型という、今ではFOSTEXのT-50RPや海外のガレージメーカー製でしか使われてません。
この当時はYAMAHAもエレクトーンのモニター用などに出しており、こちらは色やデザインが独特なこともあり
オークションでもよくみます。(結構いい値段する;;)
こちらは、数もあまり見ないですね、Audio-Technicaのアンティーク機自体をあまり見ないって話もありますが、
ヘッドフォン事業に入るのが遅かったせいか出荷数も少なかったのかもしれません。
(参入が74年ちなみに似たようにラインナップが多いソニーは1970年以前とも言われてます)

形状も他のATHシリーズにはないアームが弧を描く今で言うエルゴノミクスデザインにちかいです。

音のつくりは独特というべきか、聞いてて楽しい音です。
ヴァイオリンは高音は高く伸びながらも低めの音も響かせ、ピアノの伴奏は少し団子ながらも
不快感を感じない音づくり。
どんな音楽も楽しくきれいに聞かせてくれる感じです。
女性の落ち着いたヴォーカルや楽器を聴きたいときには向いてると思います。
ただ、解像度を期待するヘッドフォンではないですね。

ちなみに最初入手したとき自分はバンドのオレンジ色のパーツで長さを調節するのかとずっと思い込んでました;;
いやちょうどいい刻みと形だったもので;;

試聴環境 DCD-1500AE Lehman Rhinelander 試聴盤 宮本笑里「ティアーズ」

参考サイト
ヘッドフォン近代博物館さま 
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/

DR-S3(アンティーク) [アンティークヘッドフォン]

img_451965_3158333_0.jpg
パンツ、ストウィの人いわくレトロ!レトロ!な人なそうでw
てか確かに手持ちのヘッドフォン36台中半分がいわゆる90年以前の機種だけど・・・ヘッドフォン祭の
アンティークヘッドフォンブースの中ではまだまだ自分は少ないほうだよ;;;

で、ほぼこれが普段のグランドメインになってる、DR-S3です。
発売は1978年ごろ、ドライバは70mmコーン型 簡単に言えば小口径のフルレンジスピーカが両耳に入ってるって事です。
この上位機種からはボリュームコントロールやトーンコントロールがついててメンテナンス複雑なようですが。
これはただユニットだけというシンプルさ。
ちなみにコレまでのメンテナンス歴は、ハウジングの再接着とイヤーパットの交換だけです。
パッドはCD900-STのを流用してます。

リスニング向けの機種だけあって、空間表現がうまいというか、聞き疲れしにくく逆に落ち着いちゃいます。
フラットではないのですが癖のない味付けで、音も柔らかめ。
普段からヘッドフォンアンプに刺さってるのはコレです。
入手したCDでも圧縮音源でも最初に聞くのはコレですね。

なので一番使用率も高いです・・・。部品取り2台目が欲しいぐらいです。

参考サイト
ヘッドフォン近代博物館さま 
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/

いつも参考にさせていただいてます。img_451965_3158333_0.jpg

あたしの彼氏はアンティーク(ぉい(ヘッドフォン娘さん) [アンティークヘッドフォン]

img_452403_3077706_0.jpg
なによ あの男 いっつも合うときはヘッドフォンと小さいプレイヤー持ち歩いて!!

あいつが音楽好きなのは知ってるし、耳がいいのもいいのもしってる・・・

だ・け・ど、デートのときぐらい持ってこなくたっていいじゃない。
そりゃ 一緒の時は聴かないでいるけど 改札でわかれて 後ろみれば早速ヘッドフォンつけて一人の世界に
あたしとのひと時の別れなんだから もう少し感慨にふけったっていいのに
そんなのもなく自分の世界に入るんだから

で、もってあいつの部屋!!!
狭いアパートなのにあるのはベッドとオーディオ機材とCDばかり
服なんかクローゼットにあるか 洗濯機の中にあるだけなんだから
もう少し考えなさいよ

今日はもうあいつからヘッドフォンと小さいプレイヤーだけでも奪ってあたしだけを見る様にするんだから
ちょっと自分に酔ってるみたいで気持ち悪いけど今日は本当に頭に来た。

今日はデートの日・・・なのに営業のときみたく大幅で歩くのはで朝から最悪だから・・・
待ち合わせ時間の確認の電話したら聞こえてくるのは 聞きなれない音楽をBGMに聞こえてくる彼の声
あいつの周りから音楽が離れないことはない、
部屋に行っても目に付くのはでかい連中、彼から離れないのは小さい連中
ベッドサイドにもあるからたちが悪い
アレのとき集中できないじゃない・・・連中のことを知らない私には彼との関係を邪魔するお化けみたいなもん
だから 今朝の電話の後決めた 「今日待ち合わせ場所に小さい連中がいたら 強奪する」
そうでもしないとあいつからは離れない。

いつもなら駅から20分で着く待ち合わせの喫茶店に今日は10分で付いてしまった。
骨董趣味のかかった内装の店内、今じゃ少ない昔からの喫茶店。
で、磨き上げられたカウンターの端っこには知った顔の男、
てか・・・今日は小さくないよ・・・大きいよ・・・あいつら いつもなら耳栓みたいのなのに
今日はヘッドフォン!?しかもいまどきのデザインじゃない・・・
いか~にも古そうなデザインで、両耳のシルクハットの頭頂部とつばには銀色のリング・・・
で、それが腰のポーチにつながってる あのなかにはプレイヤーが入ってるはず・・・

ターゲットを見定めてる間に あいつは手持ちの文庫本とヘッドフォンを首にかけて
あたしに声をかける。
「お、今日は早いな・・・なんだよ・・・朝からそんな親の敵を見つけたような顔して・・・俺、わるいことしたっけなぁ・・・」
パンッ バサッ ガサごそ
店内に響く乾いた音とその後の布の音

あたしは何にも気づいてないアイツに切れて 一発ひっぱたいてそのまま連中を奪った
そのまま店を出てくあたし 振り向きざまに何も気づいていないあいつに言ってやった

「何よ、悪いことしたかって いつもしてるでしょ!!少しは音のない生活で暮らしなさい」
ほおけてるアイツを後に元来た道を戻るあたしだった

「ほ、ほえ・・・なんだ・・・アイツ 今日はアノ日か? 音のない生活って音はどこにもあるし
機材ならうちにもあるんだけどなぁ・・・」


「もうなによなによ、あたしより音楽が長いからって見せ付けるように古いのまでつけてきて~~~~
あのバカ 今も喫茶店で涼しい顔してコーヒー飲んでるだろうから余計にむかつく~~」
ポーチとヘッドフォンをコットンのトートバックに無造作につっこんでから行き先も決めず歩く私。
バッグの中では聞く相手を失ったヘッドフォンが音を出している。
かすかに聞こえてくるのはやわらかい大人の女性の声。無骨な外観とは裏腹な音が聞こえる・・・
さぁて、こいつらをどうしてやろうかしら、あたしも流石に本気で嫌いなわけじゃないから
売り払うとかはしたくないし、かといって今からあいつのところに行って返すのもなんか嫌なので
少し見てみよう、あんまり見たことないし。

ポーチから出てきたのは、前は白、後ろは磨き上げられた金属のボディの手のひらサイズのプレイヤー??
画面とダイヤルが特徴的・・・これってもしかして流行のアイポッドって奴?
後ろを見るとしっかりかじられたりんごのマークとiPodの文字。
あいつの性格だからどんなものが出てくるかと思ったら街やコンビニでも見るiPod。
ちょっと拍子抜けしてしまった。
「へ~ あいつも流行には流されるのね・・・ってなんか違うよっ」
よく見ると右上には銀色の薬指ぐらいのパイプそこにヘッドフォンの線がつながってる。
まぁ これくらいはまだいいか。で、ヘッドフォンはどこのなんだろ
布が巻いてあるいかにも古いケーブルをたどって出てくるは、さっきあたしに火をつけた銀色のシルクハット、
まだ音楽は流れたまま。
横を見ると「SONY DR-4M」の銀色の文字
え、SONY?
地デジとかハイビジョンのSONYだよね?ぜんぜん今とイメージが違う!!
今はすごくきれいでおしゃれなイメージがあるけど、これは金属に布、ゴムのいかにも実用ですって感じ。
ちょっとショック~~
でも、見かけはアレでも中身は変わらないよね・・・うん・・・
おっかなびっくりで頭にかけて、聞こえてくるのは落ち着いた女性の声 音が元気に聞こえるけど
歌詞は女性としての思いがこもったものが聞こえる・・・なんだろう、けなげなかんじ・・・
流行の曲とは全然違うけど好みかも・・・歌手を見ようとしたら ディスプレイは文字化け・・・使えない・・・

結局その日は連中をつけて街を歩いてしまった。
なんだろう 落ち着いた感じだけど元気に聞こえる。
自分のステップまでかるくなってしまった。
ふとショーウィンドに写った私の姿は、両耳に太陽を浴びて光小さなシルクハット両耳につけた変わった姿だった。
なんか変身じゃないけどいつもと違う姿に驚いた。
あいつはいつもこんな時間をすごしているんだなぁとおもった。
朝は連中が憎たらしかったけど、今は離したくない。
無骨だけど、元気な音を聞かせてくれる・・・。

で、今はどこだって?

アイツの部屋の前・・・離したくないとはいえ 一応あいつのだからね。
コンコン
勇気をもってドアをノック 
ガチャ
「お、おう・・・おかえりって、お前ヘッドフォンつけてどうしたんだ?朝、うばっていったきり連絡もないし・・・
これが憎らしそうだから、捨てられたのかと思ってたよ」

彼ごしに部屋を見ると積み上げられたダンボールと 妙にすっきりした部屋・・・
「えっ あんた引っ越すの?」
「いや オーディオ機材の整理しようと思って・・・あれから後輩に言われたよ 彼女いるのに彼女よりもオーディオと一緒にいるなんて彼女怒って当然だ、ってさ」
「で、これからどうするの?」
「うん、まぁ明日あたり専門の中古屋に来てもらって売却かな」
え、なんで、機材の掃除に1日かけるぐらい大事なものより、大事なものができたってこと?
不安になってきたので聞く
「じゃ こいつらとはお別れ?あたしだけを見るの?」
彼は恥ずかしそうに
「まぁ、そろそろ俺たちも長いしさ、一度趣味の整理をつけて、お前との時間をふやさないとな」
やっぱり、一人で思いつめていくとこまで考えがいってる・・・
「ねぇ 機材の処分はいいから、”この子たち”をあたしにくれない? 一日一緒にいて楽しかったの」
「え、お前はそれが嫌いで奪ったんじゃないのか?」
「いいの気に入ったんだから それに機材がないと この子たちを楽しめないでしょ」
「うん・・・まぁな・・・」
腰に手を当て

「なら、そのダンボールを早くあけてもう一度つなぎなおし!!!早く私に音楽を聞かせなさい!!!
特にこのiPodに入ってる人のCDを!!!」



私はこの子たちが好き、最初は妖怪扱いしてたけど やっぱり自分の手にすると思いも違う
そして、きっかけを与えてくれたあいつはもっと好き!!
- | 次の10件 アンティークヘッドフォン ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。